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「ウォーキング・デッド」劇場版、大胆予想!リックの物語はどう続く?

 シーズン10最終話の放送が待ち遠しい「ウォーキング・デッド」だが、この頃、劇場版について関係者たちの発言が増加している。劇場版は今、どこまで決定しているのか? どんな内容になるのか? 決定情報と関係者の発言を整理して、劇場版を大胆予想!(平沢薫)

※以下「ウォーキング・デッド」ドラマシリーズのネタバレを一部含みます。

公式発表された情報

 最初に、公式発表された決定事項を整理しておこう。まず本作は、テレビ映画ではなく、劇場公開向けの映画になる。映画は三部作になる予定で、全米の配給はユニバーサル・ピクチャーズ。主人公は、シーズン9でテレビシリーズを去ったリックで、アンドリュー・リンカーンが引き続き演じる。物語は、リックがシーズン9第5話でテレビシリーズを去った後が舞台となる。

 製作と脚本には、シリーズに長年携わるベテランが就任している。まず、製作にはグレッグ・ニコテロが参加。テレビシリーズでは、2010年から特殊メイクと製作を務め、2012年からエピソード監督を担当。これまで、32のエピソードを監督してきた。劇場版も彼が監督するとの噂が流れており、情報サイトIMDbでは監督欄にグレッグの名前が表記されている(今年1月現在、劇場版の監督は正式決定していない)。

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グレッグ・ニコテロ&スコット・M・ギンプル
ベテランコンビ!グレッグ・ニコテロ(左)とスコット・M・ギンプル(右) - John Shearer / Getty Images for AMC

 脚本は、スコット・M・ギンプルが執筆中。シーズン2から脚本と製作に参加し、これまで20エピソードの脚本を執筆してきた。スピンオフシリーズ「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」では最初から製作を務め、今年放送予定の新スピンオフ「ザ・ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド(原題) / The Walking Dead: World Beyond」ではクリエイターに昇進。本家シリーズだけではなく「ウォーキング・デッド」ユニバース全体を熟知している人物だ。

 現時点での予告編は、2019年夏のサンディエゴ・コミコンで公開されたティーザー映像のみ。シーズン9でリックがシリーズを去ったときのヘリコプターが飛んで行き、お馴染みのテーマ曲と共に「リックは劇場にのみ帰ってくる」というテキストが表示される内容となっている。

物語のヒントも?脚本家やドラマキャストの発言

「ウォーキング・デッド」
「リックの物語」をどう描くのか? - AMC / Photofest/ ゲッティ イメージズ

 劇場版については、製作初期から関係者たちが色々な発言をしている。リック役のアンドリューは、映画製作が発表されたばかりの2018年11月、The New York Times で「僕らはクリント・イーストウッドの『許されざる者』について話している。最初はまるで残飯のような落ちぶれた人物が、物語が進むにつれて実はまったく別の人間に見えてくるんだ」と語っている。

 また、脚本のスコットは昨年10月に Comic Book でこう語っている。「私は『X-MEN』シリーズの『LOGAN/ローガン』のことをよく考える。あの映画を見るために、他のシリーズを見る必要はない。あれだけで独立した作品だ」。『許されざる者』『LOGAN/ローガン』は、どちらも複雑な過去を持つ男の物語。リックが主人公の映画にふさわしい、格調高い大人向け映画の雰囲気ではないか。

 そして、スコットが製作決定時から断言しているのは、映画がリックの物語だということ。そこで、リックがテレビシリーズを去った時の状況を振り返っておこう。

「ウォーキング・デッド」
シーズン9でのリック -AMC / Photofest/ ゲッティ イメージズ

 事件が起きたのは、シーズン9第5話。リックはアレキサンドリアのリーダーとなっている。彼は、ウォーカーの大群が接近しているのを見つけ、他の場所に誘導しようとして大きな負傷を負うが、なんとか群を橋の上に誘導し、橋を爆破してコミュニティーを守る。しかし、リックは爆破で吹き飛ばされてしまい、気を失ったまま近くの川岸に打ち上げられる。

 すると、その近くで謎のヘリコプターと無線で交信していた元・清掃人のジェイデスがリックを発見。彼を取引材料にして「彼はそっちのためになる」と無線の相手と交渉し、二人を乗せたヘリはどこかへ消え去っていった。

 映画でこの続きが描かれることは、昨年のサンディエゴ・コミコンでスコットが発言済み。映画では「ヘリコプターに乗った後に何が起きたかを描く」「リックのケガは治る」と語っている。さらにスコットは、今年1月に Entertainment Weekly で、映画の舞台は「これまでより大きい世界」「まったく新しい世界」だとも発言している。

「ウォーキング・デッド」
リックとヘリに乗ったジェイデス - AMC / Photofest/ ゲッティ イメージズ

 ここまでの展開を見てほぼ確定なのが、ポリアンナ・マッキントッシュが演じるジェイデスの登場。テレビシリーズのショーランナーを務めるアンジェラ・カンも、2018年11月に The Hollywood Reporter のインタビューで「彼女は登場するでしょうね、ヘリに乗っていたから」と発言していた。

 とはいえ、公式発表はまだ。ポリアンナは先日、GalaxyConのライブ・チャンネルで「出演するかもしれないし、しないかもしれない」と言葉を濁しているが、一方で、昨年10月に情報番組で「私たちは、新しいウォーカーに会うことになる。それまで行ったことのない場所だから。これまで見たことのない武器を持ったウォーカーがどんなふうに描かれるのか楽しみ」とも語っているので、脚本を読んでいる可能性もあり得る。実際の脚本は未完成だが、少なくとも一時は彼女の発言のような新種のウォーカーが考案されていたのに違いない。

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人気キャラの合流や謎の集団…飛び交う噂

「ウォーキング・デッド」
ミショーンはリックを捜索中! - AMC / Photofest/ ゲッティ イメージズ

 まず、ダナイ・グリラ演じる日本刀の名手ミショーンが映画版にも登場するのではないかという噂がある。ミショーンはシーズン10第13話でアレキサンドリアを去るが、この理由は、ボートでリックのブーツとスマホを見つけて彼の生存を確信し、捜索することを決意したから。となると、劇場版でミショーンがリックと再会する可能性も?

 また、『ブラック・クランズマン』のコーリー・ホーキンズふんするアレキサンドリアの物資調達係ヒースが、劇場版に登場するとの噂もある。これは、ショーランナーのアンジェラが、2018年に行われた Business Insider とのインタビューで「ヒースは、ジェイデスとヘリコプターの人々との取引きに関わっていた」と認めたから。彼はシーズン7第6話でタラと共にウォーカーに襲われ、タラを置いて車で逃走したまま。彼がヘリコプターの取引に関係していたなら、リックの乗ったヘリコプターが到着するコミュニティーに、先に行っていてもおかしくない。

「ウォーキング・デッド」
ヒースは今どこに? - AMC / Photofest/ ゲッティ イメージズ

 そのヘリコプターの人々については、気になる「事実」もある。リックの乗ったヘリコプターには3つの円が重なったマークが描かれているが、これと同じマークが、スピンオフ「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」シーズン5第5話に登場するヘリコプターにもある。「フィアー~」には、このヘリコプターを所有するスリー・リングスという集団も登場。彼らが映画版にも登場する可能性もありそうだ。

 そして、シーズン9前半のラストで6年間ものタイムジャンプが起きたにもかかわらず、リックが未だにミショーンの元に帰っていないことから、ファンの間では「リックが帰ってこられないのは、新たなコミュニティーの科学者たちに人体実験をされているから」という説も浮上。リックと科学者たちによる、世界中の人類をウォーカー化させたウイルスとの戦いが描かれるとの噂もある。

「ウォーキング・デッド」
シーズン11でレギュラー復帰するマギー - AMC / Photofest/ ゲッティ イメージズ

 また、リックが到着した先は、シーズン8第12話で登場した謎の女性ジョージーがいるコミュニティーではないかとも言われている。ジョージーは、ある日突然ヒルトップを訪れてマギーと交渉し、レコードと「未来への鍵(水車などの設計図)」を交換した人物。シーズン9からマギーは番組を去るが、セリフではマギーが息子と一緒にこのコミュニティーで暮らしていることが語られている。

 そして、このコミュニティーについては、以前から原作コミックファンの間で根強い噂がある。原作で描かれる人口5万人の大規模なコミュニティー・コモンウェルスではないかというものだ。マギーがシーズン10最終話に登場することはすでに発表済み。もし、リックのヘリが到着した先がマギーのいるコミュニティーなら、今後のテレビシリーズの展開が劇場版に繋がっていく可能性も十分にある。

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気になる製作状況は?

「ウォーキング・デッド」
ダリルの物語も映画に? - AMC / Photofest/ ゲッティ イメージズ

 劇場版の進捗状況に関しては、製作のニコテロが「現在は、脚本を練っているところだ」と今年5月に SYFY WIRE のインタビューで発言。すでに初期の脚本は何種類か読んでいるという。また、新型コロナウイルスの影響による外出自粛生活が、脚本家たちにとってプラスに働き「撮影に入る前に、脚本をじっくり練り直す時間が出来た」とも語っている。

 劇場版は当初、2020年に製作を開始し、3部作の第1弾が2021年末に全米公開と見られていたが、現時点で具体的な公開時期は発表されていない。しかし、ニコテロの発言通りなら、当初の予定通りに企画は進むことになるかもしれない。

 また、あくまでも噂レベルだが、リックに続いてダリル(ノーマン・リーダス)が活躍する映画の企画も進んでいると、一部では報じられている。さらに、ギンプルは、今年3月に行われた The Hollywood Reporter のインタビューにおいて、ミショーンの劇場版登場に「それもアリだと思うけど」と言いながら、「彼女が主人公の映画を見てみたいと思っている」とも発言。となると、他にもスピンオフ映画の可能性が? そういうことならあのキャラの映画も……と今後のユニバースに対する夢が膨らんでしまうものだ。

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