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『007』あるある言いたい

 1962年に第1作となる『007/ドクター・ノオ』が公開され、2021年には最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の公開が控える映画『007』シリーズ。旧作から第25作となる最新作まで、共通するシーンや決まり事、シリーズものならではのお約束が多数あるので、『007』シリーズを数倍楽しめるあるあるネタをセレクト。これさえ押さえれば、さらに007にハマること請け合いです。(文・平野敦子)

映画タイトルと主題歌タイトルが同じ

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お決まりのオープニングショット。United Artists / Photofest / ゲッティ イメージズ

 『女王陛下の007』など一部の例外はあるものの、第2作『007/ロシアより愛をこめて』以降、映画のタイトルと同じ題名で主題歌が作られています。ノルウェー出身の人気バンドa-haをはじめ、ティナ・ターナーシェリル・クロウマドンナアデルサム・スミスら豪華メンバーたちが主題歌を担当。タイトルと主題歌が同じことで、お互いを引き立て合うという相乗効果を生みます。サビの歌詞がタイトルそのままを連呼していることも多く、何度も聞くことで印象深く頭に残ります。

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マティーニの注文が細かい

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MGM / Photofest / ゲッティ イメージズ

 初代ボンドを演じたショーン・コネリーが『007/ドクター・ノオ』で注文したのは、ステアせずにシェイクしたウォッカ・マティーニ。通常のマティーニはジンを使用し、ステア(マドラーでかき混ぜる)するところ、ウォッカという強い酒を用い、シェイクのみで作るとはかなりの強さのはず。『007/カジノ・ロワイヤル』では、「ゴードンズのジンを3オンスに、ウォッカを1オンス、キナ・リレ半オンスに氷を入れてシェイクして、レモンピールを添え……」と酒の銘柄と分量を細かく指定するだけでなく、さらにレモンピールのスライスまで要求するという徹底ぶり。しかもその特注マティーニの名前を、愛する女性にちなんでヴェスパー・マティーニと命名するあたりはさすがです。

よく水に濡れる

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セクシーショット! Sony Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 第1作の『007/ドクター・ノオ』ではボンドが追っ手を巻くために水に潜り、忍者のように葦をストロー代わりにして水面に出して酸素を確保。『007/カジノ・ロワイヤル』では、ダニエル・クレイグ演じるマッチョな肉体のボンドが水色の海パン姿で海から上がってくるという、ボンドガールも顔負けのセクシーショットを披露。とにかくボンドは水と縁があるようで、『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』では、ピアース・ブロスナン演じるボンドがボートでド派手な水上チェイスシーンを展開。粋なスーツ姿のまま、ザバザバと全身に水をかぶって戦う姿はさすがボンド様。

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枕の下に銃がある

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ご注意あそばせ。-『007/ダイ・アナザー・デイ』より。MGM / Photofest / ゲッティ イメージズ

 眠っている間も決して油断はできないのがスパイの常識。『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』では、かつてボンドと恋人同士だった女性が、皮肉たっぷりに「今でも枕の下に銃があるの?」と問いかけていたように、スパイと銃は切っても切れない仲なのです。それを証明したのが『007/ダイ・アナザー・デイ』で、敵地に乗り込み、臨戦態勢でしっかり銃を枕の下に隠すものの、美女の誘惑には弱いボンド。ベッドの上であんなことやこんなことをしている間に、銃弾を抜かれてしまうというオチがついています。

人妻好き

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積極的な人妻。MGM / Columbia Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 スパイにとって真剣な恋愛はある意味タブー。そんな中、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』でテリー・ハッチャーが演じた、過去にボンドとワケありのパリス、『007/カジノ・ロワイヤル』でカテリーナ・ムリーノが演じた、白馬と共に現れる武器商人の妻ソランジュ、『007 スペクター』でモニカ・ベルッチが演じた、殺し屋の未亡人ルチアら人妻たちが次々とボンドと深い仲に。年代は違えども、熟成したワインのような魅力を持つ人妻たちに目をつけるとは、さすがプレイボーイのボンドです。『007/カジノ・ロワイヤル』でボンドは、後に本気で愛することになるヴェスパーに、「君は僕の好みじゃない。独身だからさ」と人妻好きをはっきり宣言しています。要は後腐れない関係が一番ってこと?

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タキシードが勝負服

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男の憧れ。MGM-UA / Photofest / ゲッティ イメージズ

 ショーン・コネリー演じる初代ボンドは、ロンドンの高級紳士服街サヴィル・ロウでスーツをあつらえていました。スーツ姿ももちろんステキですが、ここぞという正念場では、タキシード姿でバッチリキメるのがボンド流。『007/ゴールドフィンガー』では、破壊工作の準備を終えたボンドがスウェットスーツを脱ぐと、中は白いタキシードというオープニングが斬新でした。『007/カジノ・ロワイヤル』では、ダニエル・クレイグ演じるボンドが、イタリアの名門ブリオーニのタキシードに身を包み、宿敵ル・シッフルとのカジノ対決に向かう姿にシビれます。『007/慰めの報酬』以降のタキシードは、イタリアの高級ブランド「ブリオーニ」から、アメリカのラグジュアリーブランド「トムフォード」に変更されています。

お楽しみより仕事優先

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はい、もしもし?-『007/ゴールドフィンガー』より。United Artists / Photofest / ゲッティ イメージズ

 スパイという仕事はいささか特殊な職業であることから、たとえ美女とベッドの中でも、いざ任務となれば飛んで行かねばなりません。それが遊びの相手ならまだしも、時には本気の相手でさえも置き去りにして、音信不通になることも。任務のために女性を味方につけるのも、ボンドの武器のひとつなので要は仕事の一環。『007/サンダーボール作戦』の宿敵ラルゴの愛人ドミノや、『007/ゴールドフィンガー』のプッシー・ガロアらが、彼の魅力に負けてボンド側に寝返っています。『007/ドクター・ノオ』で待ちぼうけを食わされた美女が、次作の『007/ロシアより愛をこめて』でようやく湖畔での逢引にこぎつけるものの、ボンドが任務で呼び出され、再び置いてきぼりにされてしまうのはお気の毒。

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天性のギャンブラー

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『007/ユア・アイズ・オンリー』より。United Artists / Photofest / ゲッティ イメージズ

 スパイという仕事柄、自分の心の内を表情に出さないのがクセになっているボンド。『007/カジノ・ロワイヤル』で国家の大事な大金を賭けながらも、宿敵ル・シッフルと涼しい顔でポーカーをするシーンは手に汗握ります。そのほかにも『007/ユア・アイズ・オンリー』でのカードゲーム、『007/ダイヤモンドは永遠に』でのサイコロゲームなど、タキシードをビシっとキメて遊びに興じる姿が印象的。ボンドのようなスパイにとって、標的に接近するためにはギャンブルの腕も必須。男のたしなみの一つとしてのギャンブルなのです。

よくボンドカーをおしゃかにする

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ボンドとアストンマーティン。United Artists / Photofest / ゲッティ イメージズ

 本格的なボンドカーの登場は、第3作の『007/ゴールドフィンガー』からで、英国が誇る「アストンマーティン DB5」がボンドカーに抜てき。『007/リビング・デイライツ』には「アストンマーティン V8」が登場し、氷上でカーチェイスを繰り広げ、最終的には自爆装置で自爆してしまいます。ピアース・ブロスナンがボンドを演じた『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』で、ボンドが空港で借りた車は「BMW 750iL」。防弾ガラスはもとより、隠し金庫やリモコン運転機能に催涙ガスまでありとあらゆる機能を搭載したボンドカーですが、立体駐車場でのカーチェイスであっという間にボロボロに。やんちゃなボンドにかかれば、どんな名車もたちまちおしゃかになってしまうのです。

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ホレた女には優しい

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ヴェスパーを優しくよしよし。MGM/Columbia Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 女好きでモテるボンドは、女性の扱いが超クール。『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』では一度はベッドを共にしながらも、敵に回った女性を迷うことなく1発で撃ち抜きました。上司Mの秘書マニーペニーにはいつもリップサービスのみ、『007/ロシアより愛をこめて』ではあろうことか内部情報を得るために、ソ連の職員タチアナを殴ってしまうという容赦のない非常な男・ボンド。それなのに、ダニエル・クレイグ演じる6代目ボンドは、美ぼうと知性を併せ持つヴェスパーに本気で惚れてしまいます。殺人の場面を目撃してショック状態のヴェスパーを優しく抱きしめる姿は、冷徹なスパイとはまるで別人。しかも仕事を放り出してヴェネチアに愛の逃避行の末、彼女との未来のために辞表まで書いてしまうというホレっぷり。ホレた女にはとことん尽くす、それがボンドの漢(おとこ)気です。

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