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アメリカ同時多発テロの闇を描く映画15本

 2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件(911)をきっかけに始まった「20年に渡る米史上最長の戦争」は8月30日にアフガニスタンでの米軍駐留が終了しました。しかし、この20年間、911を多面的にとらえた映画が数多く制作され、この戦争に潜む問題の根深さを浮き彫りにしています。さまざまな視点から捉えた911にまつわる作品15本をピックアップします。

『モーリタニアン 黒塗りの記録』(2021)

テロ事件の首謀者とされた男の手記をもとに暴かれたアメリカの闇

監督:ケヴィン・マクドナルド
キャスト:ジョディ・フォスターベネディクト・カンバーバッチほか

 モハメドゥ・ウルド・スラヒの著書を原作に描く社会派ドラマ。弁護士たちが、アメリカ軍のグアンタナモ基地で何年も投獄生活を送るモーリタニア人青年の弁護を引き受ける。『ブラック・シー』などのケヴィン・マクドナルドが監督を手掛け、『フライトプラン』などのジョディ・フォスター、『ダイバージェント』シリーズなどのシェイリーン・ウッドリー、『エジソンズ・ゲーム』などのベネディクト・カンバーバッチらが弁護士を演じている。

『モーリタニアン 黒塗りの記録』作品情報>>

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『9/11:その時、司令本部で何が起きていたのか』(2021)Apple TV+

9/11:その時、司令本部で何が起きていたのか
『9/11:その時、司令本部で何が起きていたのか』はApple TV+にて配信中

大統領と最側近の視点から見た911

監督:アダム・ウィシャート
キャスト:ジェフ・ダニエルズジョージ・W・ブッシュほか

 2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロを、当時の米大統領ジョージ・W・ブッシュとその側近たちの視点から描くドキュメンタリー。歴史に残る一日の緊迫の舞台裏や下された重大な決断について、彼らが自らの言葉で詳細に語る。

『9/11:その時、司令本部で何が起きていたのか』はApple TV+にて配信中

『ザ・レポート』(2019)Amazon Prime Video

CIAの911以降の尋問プログラムの衝撃的な秘密を暴く

監督:スコット・Z・バーンズ
キャスト:アダム・ドライヴァーアネット・ベニングほか

 全米を揺るがしたCIAのスキャンダル。911テロ事件以後に行った捜査でのCIAの残忍で不当な拷問を、アメリカ合衆国上院議員(アネット・ベニング)と調査官(アダム・ドライヴァー)とによって暴かれるさまを描く。外部と情報遮断の中で黙々と調査に没頭する役人としてのアダム・ドライヴァーの演技に引き込まれる。監督・脚本・製作は『不都合な真実』の製作や『ボーン・アルティメイタム』での脚本の、スコット・Z・バーンズ。

『ザ・レポート』はAmazon Prime Videoにて配信中

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『バイス』(2018)

巨大な権力をひそかに行使した史上最強の副大統領

監督:アダム・マッケイ
キャスト:クリスチャン・ベイルエイミー・アダムスほか

 ジョージ・W・ブッシュ政権下で副大統領を務めたディック・チェイニーを描く社会派ドラマ。アダム・マッケイ監督、クリスチャン・ベイル、スティーヴ・カレルをはじめ、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のスタッフ・キャストが再び集結。ベイルは大幅な肉体改造を行い、チェイニー副大統領にふんした。エイミー・アダムス、サム・ロックウェルらが共演している。

『バイス』作品情報>>

「倒壊する巨塔 -アルカイダと「9.11」への道」(2018)Amazon Prime Video

CIAとFBIの対立が911の悲劇やアフガン戦争のきっかけだった

製作総指揮:ダン・ファターマンアレックス・ギブニーほか
キャスト:ジェフ・ダニエルズ、タハール・ラヒムほか

 ピューリッツァー賞を受賞したローレンス・ライトのノンフィクションを基にしたテレビドラマ。1998年、オサマ・ビンラディンとアルカイダの脅威が迫る中、FBIとCIAのライバル関係がアメリカ同時多発テロの悲劇を招いてしまうさまを、実在の人物やニュースフィルムを交え描いた作品。製作総指揮は『フォックスキャッチャー』の脚本を務めたダン・ファターマンなど。

「倒壊する巨塔 -アルカイダと「9.11」への道-」はAmazon Prime Videoにて配信中

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『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2017)

「大量破壊兵器」保有に懐疑的な見方をしたジャーナリストたち

監督・製作:ロブ・ライナー
キャスト:ウディ・ハレルソンジェームズ・マースデンほか

 イラク戦争のさなかに真実を追い続けた実在のジャーナリストたちを描く実録ドラマ。ジョージ・W・ブッシュ政権下で奔走した記者たちを、『スリー・ビルボード』などのウディ・ハレルソン、『X-MEN』シリーズなどのジェームズ・マースデン、『ハリソン・フォード 逃亡者』などのトミー・リー・ジョーンズが演じるほか、ジェシカ・ビールミラ・ジョヴォヴィッチらが共演。ウディ主演作『LBJ ケネディの意志を継いだ男』などのロブ・ライナーがメガホンを取った。

『記者たち 衝撃と畏怖の真実』作品情報>>

『ナインイレブン 運命を分けた日』(2017)

ワールドトレードセンターからの脱出を模索する5人

監督:マルティン・ギギ
キャスト:チャーリー・シーンジーナ・ガーションほか

 2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件を題材にしたドラマ。ワールドトレードセンターに飛行機が激突した際、エレベーターに乗り合わせた男女の運命を描く。監督は『アイ・ソウ・ザ・デビル ~目撃者~』などのマルティン・ギギ。『ホット・ショット』シリーズなどのチャーリー・シーン、『ゴースト/ニューヨークの幻』などのウーピー・ゴールドバーグらが出演。人種や経済格差といった問題から、家族愛までを盛り込んだ物語が見どころ。

『ナインイレブン 運命を分けた日』作品情報>>

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『ビリー・リンの永遠の一日』(2016)

若きイラク帰還兵の記憶と心の葛藤

監督:アン・リー
キャスト:ジョー・アルウィンクリステン・スチュワートほか

 『ブロークバック・マウンテン』などのアン・リーがメガホンを取り、イラク帰還兵を題材にしたドラマ。イラク戦争での活躍で英雄としてたたえられる若き兵士ビリーが抱える、戦地での記憶と心の葛藤を描く。新星ジョー・アルウィン、『アクトレス ~女たちの舞台~』などのクリステン・スチュワート、『ワイルド・スピード』シリーズなどのヴィン・ディーゼルらが出演。重厚な物語に加え、1秒に120フレームで撮影する技術を駆使したクライマックスにも圧倒される。

『ビリー・リンの永遠の一日』作品情報>>

『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)

ビンラディンを追跡するCIA女性分析官の執念

監督:キャスリン・ビグロー
キャスト:ジェシカ・チャステインジェイソン・クラークほか

 911全米同時多発テロの首謀者にしてテロ組織アルカイダの指導者、ビンラディンの殺害計画が題材のサスペンス。CIAの女性分析官の姿を通し、全世界を驚がくさせた同作戦の全貌を描き出す。メガホンを取るのは、アカデミー賞で作品賞などを受賞した『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー。『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』などで注目のジェシカ・チャステインが、狂気にも似た執念でビンラディンを追跡する主人公を熱演。リアル志向のアクションやドキュメント風の映像も見ものだ。

『ゼロ・ダーク・サーティ』作品情報>>

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『ネイビーシールズ:チーム6』(2012)

ネイビーシールズのターゲットはビンラディンだった

監督:ジョン・ストックウェル
キャスト:カム・ジガンデイフレディ・ロドリゲスほか

 アメリカ同時多発テロ事件の首謀者とされた、国際テロ組織アルカイダのビンラディン暗殺作戦“ジェロニモ作戦”を実話を基に描くミリタリーアクション。アメリカ海軍ネイビーシールズの精鋭から結成されたテロ特殊部隊DEVGRUが、2011年に行った作戦の全貌を活写する。メガホンを取るのは、『ブルークラッシュ』などのジョン・ストックウェル。『バーレスク』などのカム・ジガンデイや、テレビドラマ「プリズン・ブレイク」のティーバッグでおなじみのロバート・ネッパーらが出演する。極秘任務の真実に迫ったリアルなアクションに目がくぎ付け。

『ネイビーシールズ:チーム6』作品情報>>

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(2011)

911で亡くした父の鍵の謎を探り奔走する少年

監督:スティーヴン・ダルドリー
キャスト:トム・ハンクスサンドラ・ブロックほか

 大好きな父親を911のアメリカ同時多発テロで亡くした少年が、父親の残した鍵の謎を探るべくニューヨーク中を奔走する姿を描く感動ドラマ。ジョナサン・サフラン・フォアのベストセラー小説を、トム・ハンクスとサンドラ・ブロックという二人のアカデミー賞受賞俳優の共演で映画化。『リトル・ダンサー』『愛を読むひと』の名匠、スティーヴン・ダルドリーが監督を務める。鍵穴探しの旅で父の死を乗り越え、力強く成長する少年には、映画初出演のトーマス・ホーンを抜てき。ダルドリー監督の繊細な演出と俳優陣の演技が感動を呼ぶ。

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』作品情報>>

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『ユナイテッド93』(2006)

ユナイテッド93
『ユナイテッド93』より - Universal Pictures WRITER_EDITOR: DD / Photofest / ゲッティ イメージズ

UA93便機内の人々が一丸となって下した決断

監督:ポール・グリーングラス
キャスト:コーリイ・ジョンソンデニー・ディロンほか

 アメリカ史上最悪のテロ攻撃事件として記憶された2001年9月11日の出来事を、当事者の視点から再現した衝撃的作。『ボーン・スプレマシー』のポール・グリーングラスが脚本と監督を手がけ、4番目のハイジャック犠牲となった、ユナイテッド航空93便の乗員と乗客らが経験した未曾有の恐怖心をリアリスティックに描く。離陸からハイジャック、そして運命の瞬間までを時間軸にそって再構築し、悲劇の結末を臨場感たっぷりに伝える。

『ユナイテッド93』作品情報>>

『ワールド・トレード・センター』(2006)

ワールド・トレード・センター
『ワールド・トレード・センター』より - Paramount / Photofest / MediaVast Japan / ゲッティ イメージ
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ワールド・トレード・センターで奇跡的に生還した警官の実話

監督:オリバー・ストーン
キャスト:ニコラス・ケイジマイケル・ペーニャほか

 9.11同時多発テロの標的となったワールド・トレード・センターを舞台に、大惨事から奇跡的に生還した男の姿を描く実話を基にした感動ドラマ。監督は『アレキサンダー』のオリバー・ストーン。『ナショナル・トレジャー』のニコラス・ケイジと『クラッシュ』のマイケル・ペーニャが、ワールド・トレード・センターに閉じ込められた警官を演じる。生粋のニューヨーカーであるストーン監督がリアリティーにこだわって撮り上げた迫力の映像と人間ドラマが見どころ。

『ワールド・トレード・センター』作品情報>>

『華氏911』(2004)

アフガニスタンやイラクでの不当な戦争を推進したブッシュ政権を批判

監督・脚本:マイケル・ムーア
キャスト:マイケル・ムーア、ジョージ・W・ブッシュほか

 銃社会、アメリカの問題点を追った『ボウリング・フォー・コロンバイン』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞やカンヌ映画祭55周年記念特別賞を受賞したマイケル・ムーアによる新たな意欲作。自著「アホでマヌケなアメリカ白人」の内容でもある9.11テロを軸に「何故アメリカが標的になったのか」「テロ後のアメリカの動き」「ブッシュ一族とビンラディンを含むサウジアラビア有力一族との関係」などを追うコメディータッチのドキュメンタリー。ミラマックスの親会社ディズニーから配給拒否されたことでさらに注目を集めた。

『華氏911』作品情報>>

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『11’09”01/セプテンバー11』(2002)

11か国11人の監督が同時多発テロをさまざまな視点で映した短編映画集

監督:サミラ・マフマルバフクロード・ルルーシュユーセフ・シャヒーンダニス・タノヴィッチイドリッサ・ウェドラオゴケン・ローチアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥアモス・ギタイミラ・ナイールショーン・ペン今村昌平

 2001年9月11日N.Y.で起きた同時多発テロをテーマに、世界11か国の監督が11分9秒1フレーム(事件の日と同じ数字の並び)で「あの日」を表現。11本のオムニバス映画が誕生した。参加監督は各国が誇る巨匠が選ばれている。クロード・ルルーシュ、ショーン・ペン、ケン・ローチら、特に日本の今村昌平の作品は異色で、話題となった。それぞれが独自の視点で描いた9月11日は悲しい反面、皮肉にも満ちている。あの日の出来事を忘れぬよう追悼の意をこめて鑑賞したい。

『11’09”01/セプテンバー11』作品情報>>

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