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史上初!異例だらけのアカデミー賞授賞式どうなるか

 第93回アカデミー賞授賞式が間近に迫ってきた。今年はどの作品が、そして誰が、栄えあるオスカーを手にするのか? ひとつはっきりしているのは、新型コロナウイルスの世界的な流行という史上初の事態により、ハリウッドも大きな痛手を受けただけに、授賞式も例年とは異なるものになるということ。4月26日(日本時間)の授賞式は、はたしてどんなドラマが待っているのか? WOWOWでは異例の授賞式の模様を生中継。その見どころを、ここに挙げておこう。(相馬学)

故チャドウィック・ボーズマンさんが主演男優賞候補!スピーチはどうなる!?

マ・レイニーのブラックボトム
Netflix映画『マ・レイニーのブラックボトム』独占配信中

 主演男優賞の5人の候補者の中でひときわ目を引くのが、昨年8月28日(現地時間)、大腸がんとの闘病の果てに43歳で世を去ったチャドウィック・ボーズマンさん。『ブラックパンサー』の主演俳優として人気を博し、演技派としても脂が乗ってきた矢先の訃報は、世界中の映画ファンを悲しませた。そんなボーズマンさんが、Netflix作品『マ・レイニーのブラックボトム』で初のアカデミー賞ノミネートを果たした。前哨戦のゴールデングローブ賞を制しており、有力候補であることは間違いない。が、受賞したら、誰が壇上に上がり、スピーチをするのか?

 アカデミー賞では、これまでに故人の俳優が受賞したケースが2度ある。最初は1977年、ネットワーク』で主演男優賞を受賞したピーター・フィンチさん。授賞式では同作の脚本家とともに夫人がオスカー像を受け取った。2度目となった2009年、ダークナイト』のヒース・レジャーさんの助演男優賞は比較的、記憶に新しい。このときは彼の両親と姉が壇上に上がり、感動的なスピーチを披露。いずれも家族が壇上に上がったことから、ボーズマンさんがもしも受賞を果たしたら、妻のテイラー・シモン・レドワードがオスカー像を受け取ると思われるが、どんな話が飛び出すのか気になるところ。

 しかし賞を争うライバルは強敵ぞろい。アンソニー・ホプキンスゲイリー・オールドマンといった、過去に受賞歴のある名優たちが立ちはだかる。賞の行方ともども、目が離せない!

#MeToo以後を生きる女優は、何を訴えるのか!?

プロミシング・ヤング・ウーマン
『プロミシング・ヤング・ウーマン』より - (C) Universal Pictures

 かつてアカデミー賞授賞式では、政治的、社会的なスピーチが疎まれていたが、それも今や昔の話。近年は受賞スピーチによってメッセージを発する映画人も少なくない。例えば、3年前に『スリー・ビルボード』で『ファーゴ』に続く2度目の主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンドは、折しもハリウッドを席巻していた#MeToo運動を踏まえ、性差別に反対するスピーチで女性を勇気づけ、感動を呼び起こした。

 そのマクドーマンドが今回も『ノマドランド』でノミネートを果たし、受賞の有力候補と見られている。しかし他のノミニーも強力で、キャリー・マリガンは『プロミシング・ヤング・ウーマン』で男性社会に抵抗する女性を熱演。『ジ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ(原題) / The United States vs. Billie Holiday』で伝説の女性歌手にふんしたアンドラ・デイは、性差別に加えて人種差別への抵抗をも体現してみせた。いずれも、日本的にいうと“わきまえない女性”といえそうなヒロイン像。コロナ禍で思考の時間が増え、人々の意識が高まっている今、このようなキャラクターが登場する映画はタイムリーと言えるかもしれない

私というパズル
Netflix映画『私というパズル』独占配信中

 さらに、『私というパズル』でノミネートされたヴァネッサ・カービー20分以上にわたる壮絶なワンカット出産シーンで注目を浴びており、ヴィオラ・デイヴィスがブルース歌手を演じた『マ・レイニーのブラックボトム』はBLM(ブラック・ ライヴズ・マター)が叫ばれる現代に共鳴するような人種差別をテーマにした作品だ。いずれにしても、この部門の受賞者のスピーチは注目されるところ。世界中の人々を奮い立たせるようなスピーチに期待!

鬼才、ついに初受賞!?フィンチャーは晴れの舞台で何を語る?

Mank/マンク
Netflix映画『Mank/マンク』独占配信中

 デヴィッド・フィンチャーがまだアカデミー賞を受賞したことがないという事実を、意外に思う映画ファンは少なくない。作品を発表する度に注目を浴びて賞賛され、ハリウッドの映画人の尊敬を集め、俳優たちは彼の作品への出演を切望するカリスマ。『セブン』『ファイト・クラブ』などの初期の意欲作はスルーされたが、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『ソーシャル・ネットワーク』ではノミネートを果たし、最有力と言われながら惜しくも受賞を逃している。そんな鬼才が、『Mank/マンク』で監督賞に、さらには作品賞にも王手をかけた。

 この作品は、アカデミー賞の対象にすべきか否かでしばし論争を呼ぶ、Netflixの配信作品。『ROMA/ローマ』『アイリッシュマン』など、これまでにも配信作品は賞レースを席巻してきたが、アカデミー賞ではまだ作品賞を受賞したことはない。それだけに、『Mank/マンク』が受賞すれば快挙。となると、映画界をリードしてきたフィンチャーの言葉にも視線が集まるというワケだ。

 快挙といえば、監督賞では史上初めて複数の女性監督がノミネートされている。『ノマドランド』のクロエ・ジャオと『プロミシング・ヤング・ウーマン』のエメラルド・フェネルだ。スピーチでの彼女たちの発言も気になるところだが、受賞者の席はひとつ。栄冠に輝くのは、誰か? コロナ禍の下で行われる、異例づくしのオスカーをお見逃しなく!

第93回アカデミー賞授賞式は、4月26日(月)午前8時30分よりWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドにて生中継(夜9時より字幕版を放送)
レッドカーペット生中継!第93回アカデミー賞授賞式直前SP 4月26日(月)午前7時30分よりWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドにて放送
WOWOW「生中継! 第93回アカデミー賞授賞式」公式サイトはコチラ>>
WOWOW「放送と配信で観る!アカデミー賞特集2021」の放送スケジュールはコチラ>>
WOWOW「アカデミー賞特集2021[前回受賞作編]」の放送スケジュールはコチラ>>

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